スポーツトレーナーのための骨学 — 骨盤と足首まわり
動きの評価で触れる骨盤と足首のランドマークを学びます。
動きのアセスメントは骨のランドマークから
トレーニングの現場で行う動きの観察や評価では、「この動きでどの関節がどう動いたか」を言葉にする必要があります。その言葉の土台になるのが骨です。全身のランドマークは既存の看護向け記事などに譲り、ここでは骨盤と足首まわりに絞って、動きの観察でよく使う部位を整理します。
骨盤 — 腸骨稜
手を腰に当てて触れる骨盤の上縁が腸骨稜です。骨盤帯の上部のめじるしとして、左右の高さを比べる起点になります。
骨盤 — 上前腸骨棘
腸骨稜の前端に突き出す上前腸骨棘は、骨盤の前方のめじるしです。立位・座位で観察位置を決めるときの基準点になります。
骨盤 — 大転子
大腿骨の上端が外側に突き出す大転子は、股関節のめじるしです。腸骨稜や上前腸骨棘とともに観察すると、骨盤と大腿骨の位置関係を言葉で説明しやすくなります。
足首 — 内果と外果
内側のくるぶしは内果(脛骨の遠位端)、外側のくるぶしは外果(腓骨の遠位端)です。外果のほうが低い位置にあり、この高低の対比で左右の観察が分けやすくなります。
足首 — 踵骨隆起
かかとの後方に突き出す踵骨隆起は、踵骨の後方のめじるしです。足関節まわりの観察では、内果・外果とあわせて3点で位置を押さえます。
触れて観察する手順
- 立位で骨盤から:腸骨稜 → 上前腸骨棘 → 大転子の順に触り、左右の位置を確認します。
- 足首は3点を一巡:内果 → 外果 → 踵骨隆起の順に触り、左右差と高さの関係を確認します。
- 座位・歩行でも同じ部位を:姿勢が変わっても同じ3点を触り直すと、動きによる位置の変化を言葉で述べられるようになります。
- 先に事実として触れる:観察は「どこにあり、左右でどう違うか」という事実から始め、解釈はそのあとに置きます。
まとめ
動きのアセスメントの語彙は、骨のランドマークが支えています。骨盤まわりは腸骨稜・上前腸骨棘・大転子、足首まわりは内果・外果・踵骨隆起。これらを立位・座位・歩行と観察の場面を変えて触れられるようになれば、観察した動きを正確な言葉で共有でき、トレーニングの質は確実に上がっていきます。
参考資料
OpenStax『Anatomy and Physiology 2e』8-4-bones-of-the-lower-limb