上腕骨の溝と窩 — 橈骨神経溝・肘頭窩・橈骨窩
上腕骨の後面と両端の溝・窩が「なにを収めるか」から学びます。
上腕骨を溝と窩で読む
上腕骨のランドマーク学習では顆や上顆など「突起」に注目しがちですが、突起の整理は既存の記事に譲り、この記事では溝と窩という「凹み」に絞って読み方をまとめます。溝は細長く続く通り道、窩は1か所の受け皿、という2種類に分けると整頓しやすくなります。
橈骨神経溝 — 骨体の後面を斜めに走る
上腕骨の骨体の後面には、上内側から下外側へ斜めに走る橈骨神経溝があります。橈骨神経が上腕骨に沿って進むときの通路です。前面だけを見ていると見過ごす溝なので、「上腕骨の後面を語る手がかり」として位置づけましょう。
肘頭窩 — 伸展した肘頭の受け皿
上腕骨遠位端の後面にある肘頭窩は、肘を伸ばし切ったときに肘頭が収まる凹みです。伸展の最終域で別の骨がくるりと収まるスペースがある、という空間のつかみ方を意識すると、関節運動の見え方が変わります。
橈骨窩 — 屈曲した橈骨頭の受け皿
上腕骨遠位端の前面、上腕骨小頭の上方にある橈骨窩は、肘を強く曲げたときに橈骨頭の上端が寄る浅い凹みです。後面の肘頭窩が「伸びる」側の受け皿、前面の橈骨窩が「曲げる」側の受け皿、と対にして覚えます。
| 凹み | 位置 | 入るもの |
|---|---|---|
| 橈骨神経溝 | 骨体の後面 | 橈骨神経 |
| 肘頭窩 | 遠位端の後面 | 肘頭(伸展時) |
| 橈骨窩 | 遠位端の前面 | 橈骨頭(屈曲時) |
復習ポイント
「神経の通り道か、別の骨の受け皿か」で3つの凹みを2種類に分けて言えると理解できています。後面図で橈骨神経溝と肘頭窩の位置を比べ、そのあと前面図で橈骨窩を探す、という観察の順番に慣れておきましょう。
参考資料
OpenStax『Anatomy and Physiology 2e』8-2-bones-of-the-upper-limb