コラム一覧に戻る
骨学の基礎知識

側頭骨のランドマーク — 外耳孔・乳様突起・茎状突起

耳のまわりの骨を、外耳孔を起点に観察する順を紹介します。

耳のまわりを担う骨

側頭骨は頭蓋の側面にあり、耳郭のまわりを形作る骨です。本記事で扱う突起と関節面は、すべて耳の位置を基準に配置されています。

まず自分の耳を基準に「耳孔」「耳のうしろ」「耳の下」の3方向を意識してから、骨の名前に結び付けましょう。

外耳孔を基準にする

耳郭の奥に開く孔が外耳孔です。そのすぐ前方に下顎骨の関節突起がはまるくぼみ、下顎窩があります。口を開け閉じするときに耳の前で感じる動きは、この下顎窩と下顎骨の関節突起が作る関節の働きです。

外耳孔が開く側頭骨

耳のうしろに触れる乳様突起

外耳孔の後下方に、外へふくれるこぶがあります。これが乳様突起です。自分の耳のうしろを触ると骨のふくらみとして感じられ、ここには胸鎖乳突筋が付着しています。

耳の後ろに膨らむ乳様突起

大きな頸の筋が直接付着する場所なので、頭を横向きにして骨に触れると観察しやすいランドマークです。

下へ細く伸びる茎状突起

外耳孔の前方の内側から、細い針のように下方へ伸びる突起が茎状突起です。この突起には数本の筋と靭帯が付着します。位置が深く短いため、体表から直接触れるのは難しく、骨標本・3Dモデルでの観察が中心になります。

下方へ伸びる茎状突起

3つのランドマークを一覧で整理する

ランドマーク 位置 意味
外耳孔 耳郭の奥に開く孔 その前方に下顎窩があり、下顎骨の関節突起と関節する
乳様突起 外耳孔の後下方のふくらみ 胸鎖乳突筋が付着し、体表で触れることができる
茎状突起 外耳孔の手前の内側から下方へ 細い突起で、筋と靭帯の付着力点となる

復習ポイント

自分の頭で耳の前・うしろ・下を触り、それぞれ下顎窩、乳様突起、茎状突起の見当をつけてください。乳様突起までは触れて確認でき、茎状突起はモデルで観察する、という「触れるものと触れないものの区別」がつくと、側頭骨の立体位置関係が安定します。

参考資料

OpenStax『Anatomy and Physiology 2e』7-2-the-skull